総合エンターテイメントが生まれる
2018年4月に日本ではIR実施法案が閣議決定しました。この法案のことを「カジノ法案」とメディアではしばしば紹介されています。しかし厳密にいうと、IR=カジノではないです。IRとは「Integrated Resort」の頭文字をとったものです。日本語に訳すと統合型リゾートになります。ホテルやショッピングモール、レストラン、劇場、国際会議などが施設内に作られます。カジノだけを作るわけではないです。
IRはカジノだけでなく、日本の文化やエンターテイメントを発信する場になるポテンシャルを持っています。実際世界のカジノで有名どころのラスベガスでもアート作品やパフォーマンスがいろいろと発進されています。ラスベガスで生まれた舞台が世界中で人気になるケースも珍しくないです。また国際会議を開催して、いろいろなアピール材料にもできます。日本国内外のあらゆる人が楽しめるようなエリアの生まれる機会に恵まれたとも解釈できます。
国際会議で文化交流の場に
最後で紹介した国際会議を開催できる場を日本で提供できるのは、大きなメリットと考えられます。日本国内で現状、大規模なイベントや会議を行う会場はあまり多くないです。その場が作れるIRは、新しいチャンスを創出するわけです。国内で国際会議を主宰できれば、文化の交流の活性化のほかにも経済発展のきっかけになるかもしれません。専門家の交流を進めることで、イノベーションの促進につなげることも可能です。このようにIRを作ることで、カジノによる経済効果のほかにも多方面にプラスをもたらす期待感があります。
地域の活性化も期待できる
IR法案が通過したことで、どこに施設を建設するかという問題が出てきています。すでにいくつかの都市が手をあげています。今後熾烈な誘致競争が繰り広げられるとみられています。なぜいろいろな都市が手を挙げているのか、IRによる経済効果のほかにも副次的なメリットも期待できるからです。例えばIRが建設されれば、その周辺のインフラ整備の進むことが予測されます。観光客が増え、IRだけでなくほかのところにも足を延ばしたいと考える人も多いでしょう。そのような観光客を受け入れるための店舗などの施設がつくられれば、地域活性化が期待できます。IRはいろいろな施設が統合された形で営業します。ということは、多種多様な人材を確保しなければなりません。IR誘致できれば、大量の雇用を創出できます。雇用問題を解決できるでしょうし、市外からも人材を集めて人口増加効果も期待できるでしょう。このように多角的な地域活性化が期待できるため、多くのところが誘致活動を行っているわけです。
ギャンブル依存症への対策
IR法案について反対する人も少なからず見られます。その中でしばしば指摘されるのは、ギャンブル依存症の患者が増えてしまうのではないかというものです。カジノができることで、ギャンブル依存症になってしまう人も出てくるかもしれません。しかしすでにそのための対策も進められています。世界中のカジノを運営しているエンターテイメント企業が日本への進出を検討していますが、依存症問題に関する話し合いを進めています。例えば独自のプログラムを開発して、依存症に陥らないような対策なども講じられる予定だといいます。ギャンブル依存症に関する懸念は、日本国内ではまだ根強くあります。その懸念を払しょくするためには、丁寧な説明が今後も求められるでしょう。この対策に成功すれば、日本にはカジノのほかにもパチンコや競馬などのギャンブルもあるのでこちらの対処にも転用できるはずです。問題点である一方、ギャンブル対策の突破口になる可能性もあるわけです。